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読書感想文の書き方 ~中学生がコピペをやめて自分で書けるようになるために~

読書感想文の書き方は、ただ単に書き流すだけではなく、自分自身の感じたことや考えたことを形にする独自のスキルが必要となります。しかし、中学生の間では、ネット上で見つけたものをコピペするという行為が見受けられます。これは一見、時短策に見えるかもしれませんが、実は大きな学習のチャンスを逃してしまっているのです。この記事では、そんな中学生がコピペから自身で感想文を書くためのヒントをお伝えします。

読書感想文で中学生がコピペから学ぶべきこと

読書感想文を書く際に、例文をコピペすること。一見すると、この行為はただの怠惰さであったり、時間の節約のように見えるかもしれませんが、それには一定の学習効果があるのです。中学生が他人の読書感想文をコピペすることで、感想文の基本的な形式や書き方、表現の仕方を学ぶことができます。いわば、この段階では「学ぶとは真似ること」です。昔から、模倣は学びの第一歩とされています。

アインシュタインが次のような名言を残しています。「何かを学ぶのに、自分自身で経験する以上に良い方法はない。」と。誰かが書いた読書感想文をコピペすることで、その誰かの経験を中学生のあなたも追体験できます。そこから、自分のスタイルを育て、自分のアイデアで書けるチカラを身につけることができます。また、他人の感想文から新しい表現方法や単語を学ぶことで、自身の表現力を豊かにすることも可能です。

しかし、模倣だけではいけません。コピペを通して得た知識や情報を自分のものにするには、それを消化、理解し、自分自身の視点や感想と結びつけることが重要です。一度コピペした文章を見返し、その中に自分の意見や感想を加えてみることで、自分だけのオリジナルな感想文を生み出すことができます。

このように、コピペは読書感想文の書き方を学ぶための一つの手段として有効です。ただし、その先にあるのは、自分の言葉で自分の感想を表現する力を身につけること。コピペを足がかりにして、自分だけの感想文を書けるようになりましょう。

読書感想文と中学生:コピペの罠

読書感想文のコピペは、たしかに有効な学習手段ではありますが、実は中学生が陥りやすい大きな罠が潜んでいます。「学ばない真似は、だだの猿真似」では済まされません。誰かが書いた読書感想文をそのまま引用して、これを自分が書いた読書感想文としてしまうことは、明らかに「盗作」です。
また、小中高校生の読書感想文コンクールをの応募要項は、対話型AIの普及により、今年度から改定されています。

コンクールを主催する「全国学校図書館協議会」によりますと、文章が生成できる対話型のAIの利用拡大を受け、コンクールの応募要項について昨年末から検討を続けてきた結果、AIの悪用の懸念が払拭できないとして、応募要項を改めることを決めたということです。


具体的には「盗作や不適切な引用等があった場合、審査対象外になることがあります」という規定を追記します。

AIが生成した文章をそのまま引用し、さらに執筆者本人がAIの利用を認めた場合などに適用されるということです。

一方、文章の校正にAIを使うことについては問題ないとしています。

NHKニュース 2023年3月30日

ここで言及されているように、他人の文章をそのまま引用したり、あるいは読書感想文をAIに書かせたりする行為は、実際には「盗作」などと見なされ、評価対象外となることとなります。
誰かが書いた読書感想文をそのまま引用することや、読書感想文をAIに書かせることは、中学生が自己の思考力や表現力を育てるチャンスを失うことです。これは、教育の観点からも深刻な問題です。

繰り返しになりますが、読書感想文のコピペは、あくまで他人の表現方法や思考を学ぶための一つの手段であるべきです。それが極端になると、真似るだけで何も考えなくなり、最終的には自分の考えを形成する能力そのものが育たなくなってしまいます。また、他人の文章のコピペやAIからのコピペは、自己の感想や思考を表現する場としての読書感想文の意義を無視する行為でもあります。

この罠に気づくことが、自分の言葉で自分の感想を表現する力を身につける第一歩です。自分の感想文を書く際は、他人の文章を参考にすることはあっても、そのままコピペするのではなく、自分の言葉で書くことを心がけましょう。そして、それが「自分の考え」を形成し、「自分の言葉」で表現する力を育てるための重要なステップであることを忘れないようにしましょう。

読書感想文の書き方:中学生がコピペから抜け出す方法

読書感想文を書く上でのコピペの罠を理解した上で、次に考えるべきは、自分の感想を自分自身の言葉で書くための具体的な手法です。コピペから抜け出すためには何が必要でしょうか。

まず始めに、読書感想文とはあくまで自分の「感想」を「文章」にするものです。あなたが読んだ本から何を感じ、何を考えたのかを自分自身の言葉で表現することが求められます。そのためには、自分の感想を明確に把握し、それを言葉に変換するスキルが不可欠です。

方法の一つ目は、物語を自分自身の視点で考えることです。登場人物の行動や心情、作品のテーマ、ストーリーの進行など、自分が注目したポイントについて考えてみましょう。感じたこと、思ったことをノートにメモすることから始めると良いでしょう。

二つ目の方法は、AIを利用することです。AIは読書感想文を書く上でのパートナーとなり得ます。もちろん、「私は中学生です。太宰治『走れメロス』の読書感想文を書いて。2,000字以内で。」ではダメです。具体的には、AIに対して読書感想文のテーマや主題についてのアイデアを尋ねることができます。AIとの対話は、父母や先生に相談するのと同じように、物事を深く考える機会を提供します。つまり、AIが生成した文章をそのまま引用するのではなく、AIから得たアイデアを自分の言葉で表現することが重要なのです。

ノートにメモ登場人物の行動や心情、作品のテーマ、ストーリーの進行など、自分が注目したポイント
AIを利用読書感想文のテーマや主題についてのアイデアを尋ねる

最後になりますが、「文章を書ける人」は、文章の書き方のコツを知っています。自分のスタイルを持っています。文章の書き方の抽斗(ひきだし)とでも言いましょうか・・・。これについては、次の章でお伝えしたいと思います。

ここでは、中学生はコピペから抜け出し、自身の言葉で読書感想文を書く力を育てる方法について書きました。この力を身につけると、読書感想文だけでなく、将来さまざまな場面で役立つことでしょう。自分の感想を自分自身の言葉で書くということは、自己表現の能力を養い、自分自身の考えを深めるための重要なスキルです。それは、自分の考えを、自分自身の言葉で、自分の意図したように相手に伝える技術なのです。

読書感想文で中学生がコピペに頼らないための3つのポイント

読書感想文を書くにあたり、コピペに頼らず自分自身の言葉で表現することは、中学生にとって一つの大きな課題かもしれません。しかし、その課題を乗り越えるための3つのポイントを頭に入れておけば、読書感想文はもちろん、あらゆるエッセイやレポートに対するアプローチも変わるでしょう。

ポイント1 読書感想文の結論を先に考える

まず始めに重要なことは、読書感想文の結論、つまり自分が何を伝えたいのかを先に考えることです。あたかも数学の証明問題のように、というと中学生は嫌がるかもしれませんが・・・。解きたい答えを先に知っておくことで、その答えに辿り着くためのロジックが見えてきます。本を読んだ後、どんなことを感じたのか、どの部分が特に印象的だったのかなど、感想のテーマを決めてみましょう。テーマを決めることで、それについて具体的に考えるスタートラインに立つことができます。

ポイント2 自分の「結論」を書くために、そこまでの「考えたこと」などを書く

次に、その結論に導くための過程を書きます。これはあなたの思考過程を示す部分です。ここでは本の内容に触れつつ、自分がどのようにそれを解釈し、どう感じたのかを書くことがコツです。例えば、「このキャラクターはこういう行動を取ったけど、私はこう思った」というような形で、自分の考えを具体的に示しましょう。

ポイント3 一度書いた文章は絶対に消さない

そして最後に、下書きをするときのコツです。下書きは、原稿用紙やタブレットを使い、思考を整理しながら書き始めると良いでしょう。ここで重要なのは、「一度書いた文章は絶対に消さない」ということ。削除すると、一度出てきたアイデアが消えてしまいます。もしも、あとからそれが良いアイデアだったと気付いても、書いていたことは帰ってきてはくれません。書く場所を変えて、何度も書き加えることで、自分の思考を深め、より良い文章を生み出すことができます。

以上の3つのポイントを心に留めて、読書感想文に取り組むことで、コピペに頼らず、自分自身の言葉で考えを表現することができるようになります。あなたのオリジナルな感想文が生まれる瞬間を楽しみにしています。

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