課題図書 2025年 小学校

小学校 低学年

ライオンのくにのネズミ

ライオンのくにのネズミ

さかとく み雪 作
中央公論新社 
ISBN 978-4120058486

本の紹介

ライオンの学校に転校したネズミ。あることをきっかけにライオンと対決することに。使う言葉も習慣も体の大きさも違う彼らはわかりあうことができるのか?
2024年、「書店員が選ぶ絵本新人賞」で大賞を受賞。

アプローチのヒント

  • 転校でライオンの国に来たねずみの不安な気持ちがリスの言葉で救われ、そしてそのリスを助けたいと思った勇気がライオンとも通じ合えるきっかけに。
  • 友達づくりの不安
  • 親の仕事で引越し・転校。その体験から得たこと、学んだこと。

ぼくのねこポー

ぼくのねこポー_表紙

岩瀬成子 作
松成真理子 絵
PHP研究所
ISBN 978-4569881621

本の紹介

道でひろったねこを、ぼくの家で飼うことにした。だけど、転校生の森くんが、飼っていたねこがいなくなったと話していて……。
ひろった猫を森くんのねこと認めたくない自分の気持ちと向き合い、大切なことに気づいていくお話。

アプローチのヒント

  • 咄嗟につくウソ、隠し事。欲望と道理の狭間で、いかに自分と向き合うか。
  • 猫の気持ちになって考える。相手の気持ちになって考える。

ともだち

ともだち_表紙

リンダ・サラ 作
ベンジー・デイヴィス 絵
しらいすみこ 訳
ひさかたチャイルド
ISBN 978-4865493368

本の紹介

ぼくとエトはとっても仲良し。いつも丘の上に段ボール箱を運んで遊んでいた。あるとき、シューがやってきていっしょに遊びたいと言った。エトはシューと仲良くなり、ぼくは仲間外れになった気がして、2人から離れていった……。

アプローチのヒント

  • 様々な出会いのなかで、新しい友達との関係をどのように受け入れるか。
  • 「友達を取られたような感覚」に着目して。
  • 思いやりをもって接したいと思う相手が、「ともだち」と言える存在。

ワレワレはアマガエル

ワレワレはアマガエル

松橋利光 文・写真
アリス館
ISBN 978-4752010999

本の紹介

アマガエル自身が愛嬌たっぷりに紹介。鮮やかな写真とひとこと解説で、アマガエルの生態や体の特徴をクローズアップ。
親子で読みたい科学グラフィックBOOK。

アプローチのヒント

  • 身近な生き物に対する好奇心
  • 小さな生き物を写真でクローズアップ
  • カエルってどのようにして暮らしてるのかな?どのように生きてるのかな?

小学校 中学年

ふみきりペンギン

ふみきりペンギン

おくはらゆめ 作・絵  
あかね書房 
ISBN 978-4251073167

本の紹介

小学3年生のゆうとは、ふみきりでペンギンの話を聞く。るりは、白いヘビのうわさを確かめたい。ななこは、鏡のなかのライオンと会う。そうすけは、天気占いをするフクロウが見える。「ふつうってなんだろう?」という不安な気持ちに対して、決めつけず、気にせず、それぞれの子どもたちの自分らしさを肯定する。

アプローチのヒント

  • 友情と相互理解
  • 「らしさ」とか「個性」に焦点を当てたアプローチ

バラクラバ・ボーイ

バラクラバ・ボーイ_表紙

ジェニー・ロブソン 作
もりうちすみこ 訳
黒須高嶺 絵
文研出版
ISBN 978-4580826236

本の紹介

バラクラバ帽をかぶった転入生のトミー。あの帽子の下には何がかくされている?”みんなと違う”を受け入れたときに……。
バラクラバ帽とは、頭部、顔、首などをすっぽりと覆う防寒具の一種で、日本では「目出し帽」と呼ばれるもの

アプローチのヒント

  • 学校生活の面白さ
  • 文化の違い
  • 世界共通の友情

たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害

たった2℃で_表紙

キム・ファン 文
チョン・ジンギョン 絵 
童心社
ISBN 978-4494012565 

本の紹介

もし地球の気温が2℃あがったら……。地球でくらす生き物みんなの命があぶない!
子どもたちにも直感的にわかるような構成と絵によって伝える、地球温暖化とどう向き合うか。

アプローチのヒント

  • 「ぼく」「わたし」が地球のためにできること
  • 地球環境の変化って、なぜ起きるの?
  • 生き物は地球環境の変化のなかで、これまでも繁栄と絶滅を繰り返している。私たち「人間」の生き物のひとつ。

ねえねえ、なに見てる?

ねえねえ、なに見てる?

ビクター・ベルモント 絵と文
金原瑞人 訳
河出書房新社
ISBN 978-4309231556

本の紹介

同じ場にいても、見ているもの、その見え方は全く違う。食卓を囲む家族の異なる世界を鮮やかに描く、多様性と共感について知る絵本。

アプローチのヒント

  • 物も捉え方、見え方、感じ方はみんな違う。
  • 「色覚障がい」って?「見え方」をとおして多様性を考える。
  • 科学的な見方。絵画的な見方。世界観はひとそれぞれ違っている。

小学校 高学年

ぼくの色、見つけた!

ぼくの色、見つけた!

志津栄子 作
末山りん 絵
講談社
ISBN 978-4065354391

本の紹介

ぼくは生まれつき、みんなと同じようには色が見えていないらしい。
「色覚障がい」を隠して生活する信太朗。自分の見え方に寄り添って考えてくれる担任の先生に出会い、「自分の世界の見え方の特別さ」に気づいていく。
悩みを持つすべての子に読んでほしい、心が軽くなる物語。

アプローチのヒント

  • 「ひとと違うこと」って、全然ふしぎなことではない。色の見え方だって、「個性のひとつ」と捉えたっていいじゃないか。
  • 「ひとと違うこと」は、捉え方によっては「才能の一つ」
  • 悩みとの向き合い方

森に帰らなかったカラス 

森に帰らなかったカラス

ジーン・ウィリス 作
山﨑美紀 訳 
徳間書店
ISBN 978-4198658946

本の紹介

ロンドン動物園の元主任飼育員の少年時代の実話に基づく、少年と動物とのふれあいをえがく、心に残る物語。
父親の戦争にまつわる過去とジャックというカラスの運命が、対比的に描かれてい

アプローチのヒント

  • 「いのち」についての考え方
  • 「戦争」と「いのち」
  • 「自分」の周りの人の立場を思いやり、自分を客観視する

マナティーがいた夏

マナティーがいた夏

エヴァン・グリフィス 作
多賀谷正子 訳
ほるぷ出版
ISBN 978-4593104307

本の紹介

11歳の夏休み、ピーターはすべてうまくやれるはずだった。
自然、家族、友だち…自分をとりまく変化は、あまりに大きすぎた。そんなとき、どう立ち向かえば良いのか? 
「力をかしてください」と言える勇気をもつことも、大切。周りの人との信頼関係を築き、困難に真摯に向き合っていると、ひとは手を差し伸べてくれるものです。

アプローチのヒント

  • 「助けて。手伝って」と言える人間関係の築き方って、どういうことだろう。
  • 「私の守りたいもの」ってなんだろう。
  • 出会い。別れ。家族との関係。進級・進学。

とびたて!みんなのドラゴン:難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険

とびたて!みんなのドラゴン_表紙

オザワ部長 著
岩崎書店
ISBN 978-4265080410 

本の紹介

難病ALSと闘う先生と小学生たちが合唱全国大会を目指す!ALSは、だんだん体が動かなくなっていく難病。福岡県の小学校を舞台にしたノンフィクション小説。練習場面・合唱場面の巧みな心理描写がすばらしい。

アプローチのヒント

  • 作中の心理描写を追い、自身の経験などと重ね合わせて。
  • 話し合い、励ましあい、信じあい、互いを尊敬しながら、一生懸命に共通の目標に取り組む姿。

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