この記事の目次
小学校 低学年
アザラシのアニュー
あずみ虫 作
童心社
ISBN 978-4494015931
さむい冬のある日、海の氷の上でタテゴトアザラシのあかちゃんがうまれました。おかあさんはあかちゃんに、アニューとなまえをつけました。アニューは、おかあさんのおちちをのんですくすくそだちます。ある日、おかあさんがうみにでかけると……。
アラスカに滞在して制作をする絵本作家・あずみ虫が描く、野生動物たちの物語。アザラシのあかちゃんが一生懸命に成長する姿を、親しみやすいイラストで描きます。巻末には、アザラシの生態を解説する図鑑ページ(監修協力:よこはま動物園ズーラシア 園長 村田浩一さん)。
ごめんねでてこい
ささきみお 作・絵
文研出版
ISBN 978-4580825666
大好きなおばあちゃんと、少しの間いっしょに暮らすことになったはなちゃん。優しいおばあちゃんと過ごす時間はとても楽しかったけれど、いつもと違う生活にだんだんもやもやがたまってきて…。「おばあちゃんなんて、きらい!」と言ってしまったはなちゃんは、「ごめんね」が言えるのでしょうか。
【クチコミ】
幼い読み手を慮って、ちゃんと納得する結末にしている。安心して手渡せるし、課題図書に選ばれたのもわかる気がした。正しいのは苦しいのだと、なかなか気持ちを言葉に表せない子もすごく共感できると思った。
おちびさんじゃないよ
マヤ・マイヤーズ ぶん
ヘウォン・ユン え
まえざわあきえ やく
イマジネイション・プラス
ISBN 978-4909809445
テンちゃんは小さな女の子。でも見た目で判断しないで、って思っています。いろんなことができるし、知っているもん。ある日、学校にマルくんという身体の小さな男の子が転校してきました。小さなマルくんにいじめっこが近づきます。どうしよう…いじめっこに立ち向かいます。
色鉛筆の優しい世界観。声をあげることの大切さ、他人を思いやる優しさをテーマにした絵本。
どうやってできるの? チョコレート
田村孝介ほか 写真
ひさかたチャイルド
ISBN 978-4865492903
チョコレートはどうやって作るの? カカオはどのように日本にくるの? 食べ物ができるまでの不思議と、人々の仕事を知ろう!
原料のカカオから板チョコレートができるまでを、豊富な写真としかけ画面を使いながら、順を追ってみていきます。原料が変化して食べ物になるふしぎ、そして社会の仕事にも目が向く絵本。
小学校 中学年
いつかの約束1945
山本悦子 作
平澤朋子 絵
岩崎書店
ISBN 978-4265057979
ある日出会ったのは、自分は9歳だと言うおばあさん。「戦争はどうなったの?」 いっしょに歩き話した、忘れられない夏の一日。
【クチコミ】
すずちゃんにとっては夢のようで、二人にとっては当たり前の生活ですが、過去から続くたくさんの人の努力によって成り立っている。今は幼い彼女たちもその一人。最後まで読むと、タイトルの意味が分かり、切なくも、感動しました。
じゅげむの夏
最上一平 作
マメイケダ 絵
佼成出版社
ISBN 978-4333029037
「今年がラストチャンスって気がするんだよ」難病をかかえる親友の願いを叶えるため、ぼくらはこっそり計画を練った……。
夏の匂いが濃く立ちこめる山あいの村で、死という確かで曖昧なものを共有しながら、めいっぱいいのちを謳歌する少年たちの夏の日をみずみずしく描いたさわやかな作品。
さようなら プラスチック・ストロー
ディー・ロミート 文
ズユェ・チェン 絵
千葉茂樹 訳
光村教育図書
ISBN 978-4895721479
約5千年前に発明されたストローは、なぜ今、問題になっているのだろう?
ストローの発明と改良の歴史、使い捨てプラスチックが環境や海の生き物に与える影響、解決策など、SDGsを考え行動するためのノンフィクション。
【読書感想文へのアプローチ】
もう一度、プラスチック以前のストローに戻ることもできるし、もっと優しいストローを作り出すこともできる。「わたしたちはプラスチックより地球を選ぶことができる」 そのために一人一人ができることとは何か。忘れてはならないのは、様々な事情でプラスチック・ストローを選ぶ必要があるひともいること。
聞いて 聞いて!:音と耳のはなし
髙津修、遠藤義人 文
長崎訓子 絵
福音館書店
ISBN 978-4834087086
音は震える空気の波。大きな音は大きな波、小さな音は小さな波、高い音は細かく震える。2つの耳で聞くと、音はいきいきと立体的に聞こえるよ!
【クチコミ】
糸電話、トライアングル、大太鼓などいろいろなもので音を感じながら読みたい。読書感想文はもちろん自由研究のおともにもオススメ。
小学校 高学年
ぼくはうそをついた
西村すぐり 作
中島花野 絵
ポプラ社
ISBN 978-4591178218
あの人を救いたくて、原爆で亡くなった息子のフリをした――小学5年生のリョウタが、自分の住むヒロシマの街を歩きながら、今も消えない原爆の傷と人々の想いについて考えます。平和への祈りをこめた物語。
【クチコミ】
うそは絶対についてはいけないものなのか、ついていいうそ と いけないうそがあるのか、という問いの答えは人によって違うと思うし、どんなうそならついていいとするかも人によって違うだろうけれど、「ぼく」はそれでもうそをつくことを選んだんだということがタイトルににじみでているように思う。 ヒロシマや戦争の記憶をどれだけつなぎとめられるかが いまの大人に課せられているなかで、このような物語はその一助になってくれると思う。
ドアのむこうの国へのパスポート
トンケ・ドラフト 作
リンデルト・クロムハウト 作
リンデ・ファース 絵
西村由美 訳
岩波書店
ISBN 978-4001160468
オランダの人気児童文学作家二人による、子どもたちへのエールに満ちた物語。
作家の家には、なぞめいたドアがある。ドアのむこうには、特別なパスポートを持った人しか入れないという。クラスの子どもたちは作家と手紙をかわしながら、パスポートやビザの申請に取り組み……。
図書館がくれた宝物
ケイト・アルバス 作
櫛田理絵 訳
徳間書店
ISBN 978-4198656652
1940年、ロンドン。
ドイツとの戦争が始まったばかりの英国。
三人のきょうだいは、祖母をなくした。両親も幼いころに亡くなっている。未成年の三人は、後見人がいないと遺産にも手をつけられない。そこで、弁護士が提案したのは、三人が集団学童疎開に参加し、理想の養子縁組候補を探すことだった。
疎開先では辛いことも多い。厳しい疎開生活のなか、3人の救いとなったのは、村の図書館だった。
きょうだいの助け合いが印象的な、第二次世界大戦下の心あたたまる物語。巻末に、物語中に登場する本のリストを収録。
海よ光れ!:3・11被災者を励ました学校新聞
田沢五月 作
国土社
ISBN 978-4337310131
東日本大震災の避難所の小学校で子どもたちが取り組んだこととは…学校新聞。子どもたちの思いをつぶさに伝えるノンフィクション。
2011年3月11日。あれから時を経て、当時の子どもたちは立派な大人になっている。
この本の取材は、震災から8年後のこと。思い出すことさえ辛いであろう体験談。しかしそれは、とても力強くエネルギーに溢れている。